三点照明|ライティングの基本をテレビ局で働くプロ照明マンが解説!

基本の三点照明をプロ照明マンが解説
ゆーふぃる

プロ照明マンである私が、ライティングの基本『三点照明』について解説します!

写真や動画撮影をされる方、撮影時にライティングの事は気にしていますか?

『ライティング』とはライトやストロボ等を使う事だけではありません。

自然光や蛍光灯、ダウンライト等、その場にある光の方向や色味、強さなどを読み取り上手く扱うこともライティングです。

まずはライティングの基本である『三点照明』について覚えてみましょう。

以下の2枚の写真は部屋の天井のシーリングライトのみで撮った写真と、三点照明を使って撮った写真です。

違いを見比べてみましょう。

天井のシーリングライトのみ
蛍光灯のみ
三点照明
三点照明で撮影

写真や動画はライティング次第で印象が変わります。

ライトを使うとしても、自然光やその場の光を使うとしても、三点照明は基本となる考え方です。

どこから光が来ているか意識するだけでも変わるので、ぜひ覚えて試してみてくださいね。

ゆーふぃる

動画で解説もしています!

著者の紹介
  • テレビ局で働くプロ照明マン歴10年以上
  • スタジオでのバラエティや商品撮影、ロケ、ドラマなどの照明を担当
  • 所有カメラはSONY α7ⅲ、FX30
  • 私物のライトや撮影機材もどんどん増えてる
ゆーふぃる

ゆーふぃる

読んで分からないポイントは、お気軽にコメントやお問合せからご連絡ください!

目次

三点照明とは

三点照明とはその名の通り3種類の照明で構成されます。

ポイント
  • キーライト
  • フィルライト
  • バックライト(リムライト、モデリングライト)

三点照明【キーライト】とは

キーライトはメインとなるライトの事です。

被写体が正面を向いている場合、被写体よりも斜め45度あたりのやや高い位置辺りに設定するのがオーソドックスです。

キーライトのみ

キーのみ


スマホのライトやクリップオンストロボを直接当てた場合など、カメラと全く同じ方向(順光)から当ててしまうと立体感が失われてしまいます。

ゆーふぃる

やや斜め前、半順光くらいの角度にするのがポイントです

三点照明【フィルライト】とは

キーライトが当たらない部分の補正と、キーライトを当てる事によってできる影を和らげるためのライトです。

フィルライトのみ

フィルのみ

カメラを挟んでキーライトの反対側のややカメラ寄りに設定します。

また、フィルライトはキーライトよりも弱く、低い位置で当てます。

キーライトによってできた影を和らげたいので、キーライトよりも低い位置から当てる必要があります。

またフィルライトによって余計な影を出したくないので、キーライトよりも柔らかい光で当てる方が好ましく、ライトではなくカポックやレフ板などを使用する場合も多いです。

光の硬い、柔らかいとは

光の硬い、柔らかいとは影のシャープさコントラストの強さです。

光の質には「点光源」と「面光源」というものが関係しており、基本的には光源が大きく、被写体に近いほど光は柔らかくなります。

三点照明【バックライト(リムライト、モデリングライト)】とは

バックライトとは被写体の後ろ側、逆目から当てるライトです。

キーライトやフィルライトのように明るさを稼ぐためではなく被写体の輪郭、エッジを出すために当てるライトです。

リムライト、ヘアライト、モデリングライトなどと呼んだりもします。

バックライト

特に夜や暗い室内などの場合、バックライトがないと被写体の輪郭が分からなくなり背景と同化して立体感が失われてしまいます。

キーライト、フィルライト、バックライトを組み合わせる

メインとなるキーライト、補正のためのフィルライト、輪郭をだすバックライトの3つの要素を組み合わせることで三点照明が完成します。

三点照明完成

三点照明の基本セッティング

三点照明のそれぞれの意味が分かったところで、図を交えながらスタジオでの3点照明のセッティングについて説明していきます。

被写体がカメラに対して正面を向いている時

キーライトの所で述べたように、被写体から向かって45度くらいの位置にセッティングします。

右側か左側かはモデルさんの髪型や顔向きで決めます。

カメラを挟んで反対側のややカメラ寄りで、キーライトよりも高さの低いフィルライトを、

キーライトと逆方向でカメラから見切れない位置にバックライトをセッティングします。

被写体がカメラに対して斜めを向いている時

被写体が上の図のように斜めを向いている場合は、

キーライトを被写体から見て正面よりもやや左側、カメラと反対側の顔の頬が明るくなるようにセッティングすると陰影が出て印象的になります。

上の図で言うと被写体自身の左頬側が明るく、カメラ側である被写体の右頬側がやや暗くなっているイメージです。

フィルライトはカメラのぎりぎり真横か真上くらいに寄せると良いです。

ゆーふぃる

基本的にはカメラ側が暗部となるように作ると立体感が出ます

サイドキー

男性のポートレートやインタビューなどの場合などは、被写体に対してサイドめのキーライトにすると重厚感や迫力が出てカッコよくなります。

フィルライトは無しにするか、弱めにリフレクターなどを使用するのも良いかと思われます。

分かりやすく言うとあれです。
半沢直樹です。

ゆーふぃる

大体再現できていそうですね!

この場合は両目にギリギリ当たるくらいでキーライトをサイドに設置し、

目の下にもうひとつキャッチライトが入っているので小さなライトをやや下から当て、

写真右側は黒く締まっているのでライトブロッカーを置いて再現してみました。

外光を活かしたライティング

これらのキーライト、フィルライト、バックライトは全てが照明機材(ライト)である必要はありません。


その場にある窓からの外光や蛍光灯、ダウンライトなどの光の方向や明るさ、色などを読み取って利用する事もライティングです。

三点照明はスタジオライティングのみの話ではありません

例えば窓の近くで外光が入ってくるのであれば、窓からの外光をキーライトとしてモデルさんに良い角度で当たるようにアングルを調整しましょう。

少し角度を変えて反対を向くと、これだけ印象が変わってしまいます。

ゆーふぃる

直射日光だとキツくなりすぎるので、その場合はレースカーテン越しにすると柔らかくなります

また、部屋のシーリングライトがある場合は太陽光と色味が違うので、以下のように顔に影響する位置だったり余計な影を出してしまうような場合は消してしまっても良いかと思います。

位置的に顔に影響せず、バックライトとして使えそうなら点けても良いかもしれません。

最近のシーリングライトだと調色できる場合も多いので、その場合は太陽光と色味を合わせるとベターです。

まとめ

このようにその場の光を読み取ってキーライトにしたりフィルライトにしたりする事も三点照明の基本が分かっていれば組み立てやすいかと思います。

ポートレート撮影に関してもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。


また、このライティングの基本は人物撮影だけでなく料理や物撮りの場合でも同じように応用できます。

料理の場合は正面側からよりも逆目側からの光を強くしてエッジを出して陰影があった方がより美しく美味しそうに見えます。

ゆーふぃる

ちなみに今回の解説で使用したのは3Dの照明シミュレーションソフト「set.a.light 3D」です。

非常にリアルで、正確に作られているのでポートレートの練習や勉強には非常に良いソフトです。

こちらの記事で使い方の紹介やレビューをしているのでぜひご覧ください

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