テレビ局でプロの照明マンとして働いておりますゆーふぃるです。バラエティ番組や中継、ロケからドラマ撮影まで色々と仕事をさせて頂いております。
今回は商品撮影の時やドラマ撮影の時に良く使用している「カポック」や「レフ板」の使い方について解説したいと思います。
- テレビ局で働くプロ照明マン歴10年以上
- スタジオでのバラエティや商品撮影、ロケ、ドラマなどの照明を担当
- 所有カメラはSONY α7ⅲ、FX30
- 私物のライトや撮影機材もどんどん増えてる
ゆーふぃる
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レフ板、カポックとは光を反射させ補助光として使うもの
レフ板とは太陽光やライトなどの光を反射させて、被写体に反射光を当てるためのものです。
一般的に使われているレフ板は持ち運びやすいように布状で折り畳めるようになっているものが多いです。
屋外で撮影するときに太陽光を反射させて暗部を持ち上げる補助光(フィルライト)として使ったり、
商品や料理などを撮るときに同じく暗部を持ち上げたり、商品のシルバーの部分などに白を写して綺麗に見えるように使ったりします。
カポックとは主にスタジオで使われる「大きめのレフ板の一種」
レフ板はよく聞くけどカポックって何?
「カポック」もレフ板の一種で光を反射させて使うのですが、片側が白、もう片側が黒の大きめの発泡スチロールです。
上記のようなカポックは銀一などのプロ向けのショップなどで取り扱っていますが、ホームセンターで大きく頑丈な発泡スチロールを買ってきて片方を黒のつや消し水性塗料で塗って自作することも可能です。
油性塗料を使うと発泡スチロールは溶けてしまうので注意です。
レフ板は先程も述べた通り持ち運びを重視して折り畳めるものが多いのですが、カポックは主にスタジオで使われる事が多いので大型で頑丈な発泡スチロール製のものだったり木製のもの等があります。
上の写真に使われている3×6判と言うのは3尺(約90cm)×6尺(約180cm)というもので、良く使われているサイズです。実際には2枚繋げて見開きのようにパタンと折れるようにしているものや半分くらいに切って3×3にして使ったりもします。
またドラマの撮影でも折り畳みのレフ板よりも風に強いのでこのカポックを良く使用します。
カポックは白い面で光を反射させる他に、黒い面で余計な光を遮ったりする事にも使われます 。
カポックホルダーと呼ばれる物を使ってスタンド等に固定して使う事も可能です。
黒面のカポックやレフ板を使う事で、物撮りの反射や映り込みを防ぐことができます。
スタジオでの撮影やドラマ等の撮影をする場合にはこのカポックは無くてはならない存在です。
レフ板の使い方
レフ板は基本的に光を反射させて使います。
外で撮影する場合は太陽光、室内であればライトなどの光を反射させ、補助光(フィルライト)として暗部を持ち上げるために使用します。
ポイント
【フィルライト】とは、メインの光となる【キーライト】によってできる影や暗部を持ち上げる役割の補助光です。
照明の基本である三点照明は【キーライト】【フィルライト】【バックライト】の3つで構成されます。
レフ板は主にこの【フィルライト】として使われる場合が多いです。
三点照明については下記記事をご覧ください。
外での撮影であれば太陽光によってできる影を和らげたり、逆光時に表情が見えるように明るくするために使います。
特に10時~15時くらいまでは太陽の位置が高いので、そのままだと順光の場合でも鼻の下や首にキツい影が伸びて流れてしまいます。
被写体が女性の場合は特にトップ光がキツいと目元に髪の毛などの影が目立ったりして綺麗に撮影してあげられません。
そのためレフ板等で太陽光を拾って顔の高さくらいで当てると暗部が持ち上がって影が和らぎ、更に目にもキャッチライトとしてレフ板の光が入って生き生きとした表情に見せる事が出来ます。
ポートレート撮影の場合このキャッチライトは超重要です!
キャッチライトとは瞳の黒目の部分に光を映らせて生き生きとした表情に見せるためのライトで、これが有ると無いでは印象が全く変わってきます。
キャッチライト有り↓
キャッチライト無し↓
レフ板でキャッチライトを入れる場合は、被写体から遠いとキャッチライトが小さな点になってしまうのでなるべく被写体の近くで、大きめのレフ板を使うと大きく入ります。
キャッチライトの大きさでも印象が変わるので、クールに見せたい場合はあえて小さな点にする場合もあります。
ただ大きくキャッチライトを入れたいと思って近づけすぎると光量が乗りすぎてしまう場合もあるので、シルバーではなく白いものにしたり、あえて芯を逃して光量を落としたりして背景とのバランスを取る必要があります。
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光の入射角と反射角は等しい
光の反射する角度についてはご存知でしょうか。
光が鏡に反射する時に鏡に対して垂直な線との間にできる角度を【入射角】と【反射角】と呼びます。
この「入射角と反射角は等しい」というのが光の反射の法則です。
レフ板などにもこの法則が当てはまりますので、光源と被写体のちょうど間にレフ板を向ければ上手く反射させる事が出来ます。
室内撮りでのレフ板、カポックの使い方
室内で料理や商品などを撮影する場合もレフ板は活躍してくれます。
この場合も同じくメインとなるキーライトの当たらない暗部を持ち上げるためのフィルライト(補助光)として使えます。
料理などの場合はキーライトを半逆光くらいにして、反対の手前側をレフ板でおさえるといった使い方をすると綺麗に撮影出来ると思います。
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また商品の場合はロゴにシルバーやゴールドの部分などがあるものは、大きなカポックなどをキャッチライトと同じように映り込ませるとしっかり見せる事が出来ます。
シルバーの文字などは白を映さないと黒く見えてしまったり、逆に全部を白く写り込ませると真っ白にみえてしまうので、微妙なグラデーションになるように角度を調整するときちんとシルバーに見せる事が出来ます。
こういった場合は揺れやすい折り畳みのレフ板よりもしっかりしたカポックの方が固定して調整しやすいです。
おすすめのレフ板
ここからはおすすめのレフ板をいくつか紹介したいと思います。
NEEWER 5in1 マルチレフ板 クランプホルダーセット
NEEWERの5in1 マルチレフ板とクランプセットは半透明/シルバー/ゴールド/ホワイト/ブラックの5種類が裏表だったり着せ替えカバーを変えることによって使い分ける事が出来ます。
半透明はディフューザーとして、ブラックは余計な光を遮ったり暗部を締めたりして陰影を強めたい時に、ゴールドは夕日などの暖かみのある色を強調したい時に使用します。
また、クランプホルダーもセットになっているのでスタンドに固定する事もできます。
TARION 丸レフ板
TARIONの丸レフ板はホワイトとシルバーのスタンダードなタイプでしっかりとした作りをしています。
シンプルで使いやすいレフ板を探している方にはこちらがおすすめです。
NEEWER 5in1 楕円レフ板
NEEWERの5in1 レフ板の楕円形バージョンです。
こちらも同じく5種類のカラーがあります。
サイズが大きめで楕円形なので、しっかり全身に当てたい場合はこちらがおすすめです。
TARION レフ板 A3サイズ
こちらはTARIONのA3サイズのレフ板で商品や料理の撮影の時に便利です。
開くとホワイトが2面、裏側は1面がシルバーで1面はブラックと使い分けが可能で、立てて使えるのでアシスタント等無しでも一人で撮影可能です。
シンプルながら非常に使い勝手が良いので、とりあえず1枚持っておいて損はありません。
レフ板の使い方まとめ
今回はレフ板やカポックの説明をさせて頂きました。
ちなみに自分は照明の新人の頃、レフ板を使う練習として
外で太陽の光を拾って被写体の周りを360度グルグル周りながら当て続ける練習とかしてました笑
ハタから見たら面白いですが、やってみると結構難しいんですよ。
太陽と被写体の高さも横方向もちょうど間にレフ板を向ければ良いので、逆光の時は分かりやすく簡単なのですが、順光方向で太陽を拾って当てようと思うとほぼ水平くらいに滑らせて当てる感じになるので中々難しいです。
慣れてくると芯を探らなくても大体1発でバシッと光を拾って当てられるようになります。
折り畳みのレフ板1つでもあれば外だけでなく室内のちょっとした撮影でも使えますし、手軽ながらも写真や動画のクオリティがグンとアップしますので、是非1枚買って色々と試してみてください。
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