テレビ局で働く照明さんのゆーふぃるです
今回はカメラのシャッタースピードについて解説します!
前回『F値』について勉強した時にちょっとだけ出てきたよね?
カメラのF値(絞り値)とは?
写真の明るさに関係してくる
○『F値』
○『シャッタースピード』
○『ISO感度』
『F値』は明るさと背景のボケ具合に関係する設定です。
F値の設定を理解すればインスタ映えする背景のボケた写真が簡単に撮れますよ!
詳しくはこちら
そうですね!
『F値』は明るさと背景のボケ具合に関係してきましたが
『シャッタースピード』は明るさと写真のブレに関係してきます。
『写真のブレ』って動いてるものを撮った時とかに
たまにブレブレな写真になっちゃってたりするアレのこと?
そうそう!
せっかく撮ったのにブレちゃってると残念ですよね。
カメラの設定に少し気をつければブレブレ写真を減らせますよ!
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シャッタースピードと明るさの関係
『シャッタースピード』のシャッターって
写真撮る時に押すあのシャッターボタンのこと?
そうです!
簡単に言うと言葉そのままですがシャッターが開閉するスピードの事ですね。
カメラのシャッターとは?
カメラの『シャッター』とは幕のようなもので『イメージセンサー』と呼ばれるカメラの大事なパーツの前にあります。
写真=光の情報?
実は写真というのはその時の『光の強弱や色などの情報』を読み取ってデータとして保存したものです。
カメラ本体の中に『イメージセンサー』と呼ばれる光を感知してその情報を記録するセンサーが付いています。
いわばカメラの心臓部ですね。
その光の情報のデータをもとに静止画として出力したものが写真です。
動画の場合はこの光のデータを連続して記録しており、たくさんの静止画を繋げて動画として出力されています。
この『イメージセンサー』の前にあるのが「シャッター幕」で
シャッターが空くことによりセンサーに光が当たり、その時の光をイメージセンサーが記憶します。
シャッタースピードで明るさが変わる
このシャッター幕が開閉するスピードが『シャッタースピード』です。
画像の例で言うと『1/125秒』でシャッターが開閉する設定ということです。
シャッタースピードの下限、上限はカメラによりますが、私が使っているSONY α7ⅲの場合は30秒〜1/8000秒まで設定できます。
確か絞り優先【A(Av)】モードにしたら
F値だけ自分で決められるんだよね!
シャッタースピードにもあるのかな?
シャッター優先【T(Tv)】モードにすれば
シャッタースピードのみ自分で設定して、写真の明るさはカメラが自動的にF値とISO感度で調整してくれます。
そもそもシャッターのスピードが変わると何が変わるの?
シャッタースピードが変わると?
○シャッタースピードが速い
シャッターが開閉するスピードが速くなるほど一瞬しかシャッターが開かないので
相対的にイメージセンサーに当たる光の量も少なくなる。
→暗い写真になる
○シャッタースピードが遅い
シャッターが開閉するスピードが遅くなるほど、シャッターが空いている時間が増え
相対的にイメージセンサーに当たる光の量が多くなる。
→明るい写真になる
つまりシャッターが開閉している時間を調整することにより、イメージセンサーに取り込む光の量を調整しているのです。
とりあえずシャッタースピードが速いと写真が暗くなって
シャッタースピードが遅いほど明るく撮れる
という事だけ覚えておきましょう。
写真がブレる原因とシャッタースピードとの関係
シャッタースピードが関係してくるのは写真の明るさだけではありません。
もうひとつは『写真のブレやすさ』に影響します。
シャッターを押した瞬間に動いちゃうとブレちゃうんだよね?
そもそも何でブレちゃうのかな?
そうそう!
動き回る子供なんか撮ってるとよくブレちゃいますよね。
ブレる原因は大きく2つあります!
被写体ブレ
シャッターが開いてる間に写っている景色や人が動くと起こる『被写体ブレ』
シャッターが空いている間に被写体が動くと
その動きまで記録してしまうため写真がブレてしまうのです。
シャッタースピードを速くすればシャッターが空いてる時間が短くなり、
多少動いてもシャッターが閉まる方が速いのでブレにくくなります。
左に写っている車は停車していてバスだけが動いているので
バスだけがブレている
手ブレ
被写体は動いていなくても、シャッターが空いている間にカメラを持っている手自体が動いてしまうことにより起こる『手ブレ』
シャッターを押すため力を入れた瞬間に微妙にカメラが振動してしまったりするのです。
これもシャッタースピードを速くすることにより手ブレを軽減することができます。
ポイント
『被写体ブレ』も『手ブレ』もシャッタースピードが遅いと、
シャッターが空いている間に動いてしまう可能性が高くなりブレが起こりやすくなります。
オートで撮っている場合、夜や室内などは写真を明るくするためにシャッタースピードが遅く設定されるのでその分ブレやすくなるのです。
シャッタースピード以外に写真のブレを軽減するテクニック
ブレが起きにくい標準的なシャッタースピードは『1/125』と言われています。
明るい外の場合はシャッタースピードを速くできるのでブレにくいのですが
夜や室内の場合どうしても明るさが足りずにシャッタースピードを遅くする必要があります。
そんな時は以下のテクニックを試してみましょう。
ブレを軽減するテクニック
○グッと脇を締めてカメラを構える
○三脚などでカメラを固定する
○ネックストラップなどを利用する
○セルフタイマーを利用する
○ISO低速限界などの機能を設定する
グッと脇を締めてカメラを構える
基本はもうコレです。
シンプルに気合。
カメラを構える時はグッと脇を締めてなるべくカメラを体に寄せて撮りましょう。
最近はファインダーではなくモニターを見て撮影することも多いですが、手が伸びて体からカメラが離れているとブレやすくなります。
三脚などでカメラを固定する
三脚が用意できるなら三脚でカメラを固定するのがブレを防ぐ一番の方法です。
三脚を選ぶ時は必ず自分のカメラの重量と三脚の耐荷重をチェックしましょう
お手頃価格な日本の老舗三脚メーカー『SLIK』
『トラベル三脚』と呼ばれるタイプは
小さく畳むことができて軽量コンパクト
大きな三脚を持ち歩くのが嫌な人はミニ三脚もおすすめ!
一眼レフでもOKなミニ三脚!
小型のカメラならこれもおすすめ
さらに小さいManfrotto『POCKET L』
折り畳むとめちゃくちゃコンパクトなのにミラーレスでもガッチリ固定できます
とりあえず鞄に入れておけるサイズ!
ネックストラップなどを利用する
ネックストラップって首から下げるコレでしょ?
これでブレを抑えられるの?
そうです!
ネックストラップを短くしてカメラを前に引っ張りながら構えると
結構安定しますよ!
ストラップがピンと張るようにしてカメラを構えるのがコツです。
速写ストラップと呼ばれる
簡単かつ一瞬で長さ調節できるものが非常にオススメ!
みんながおすすめしている超定番のPeak Design製ストラップを私も愛用してます
セルフタイマーを利用する
セルフタイマーは2秒くらいの短い設定もできるので
あえて2秒タイマーにしてシャッターを押す時の手ブレをなくすという使い方ができます。
テンポが遅くなるので人物撮影ではなく夜景を撮る時などにおすすめです
ISO低速限界などの機能を利用する
全てのカメラに搭載されている訳ではありませんが『ISO低速限界』という機能があります。
メーカーにより名称も違うのですがシャッタースピードの下限値を設定できる機能です。
…?
難しそうな言葉ですが
これ、神機能なので設定できるカメラなら必ず設定しておくべきです!
ブレにくい最低限のシャッタースピードが『1/125』とされていますが
動き回る子供などを撮るときは『1/250』か『1/500』くらい速くしないとブレてしまいます。
でもいちいちマニュアルでシャッタースピードを設定していたら大事なシャッターチャンスを逃してしまいますよね。
そこで役に立つのが『ISO低速限界』です。
ISO低速限界とは
プログラムオートか絞り優先モードで『ISO AUTO』に設定している場合に使える機能です。
『ISO』とは明るさを決める最後の一つの要素で『センサー感度』に当たります。
ISO感度が高くなると明るく撮れますが、感度を上げるほど写真にザラザラとしたノイズが目立つようになります。
『ISO AUTO』にしているとその場の明るさに合わせてカメラが感度を自動調整してくれるのですが、
『ISO低速限界』を設定していると、決めた下限のシャッタースピードよりも遅くする必要がある暗い場所では
シャッタースピードよりもISOを優先してあげてくれる機能です。
例えば絞り優先モードで『ISO低速限界』を1/250に設定していたら、
◯F値はボケ具合を調整したいので自分で決める
◯シャッタースピード1/250はキープしたままカメラがISO感度で明るさを調整してくれる
という事ができるのです。
多少ノイズでザラついてもブレブレ写真よりはマシです!
ちなみに『ISO AUTO限界』もあって、
上限のISOを越えそうになるとISOが優先され
下限設定したスピードを割り込んでシャッタースピードが遅くなります。
『ISO AUTO限界』>『ISO低速限界』
となっているようです。
シャッタースピードを遅くするスローシャッターとは?
ここまではシャッタースピードを上げて
ブレを少なくする事をメインに説明してきましたが
あえてシャッタースピードを遅くしてわざとブレの効果を狙うテクニックがあります。
スローシャッターで水の流れを撮ってみる
『シャッターが空いている間に動いたものはイメージセンサーに記録される』という事はシャッタースピードを遅くして滝や川など常に水の流れがあるものを撮るとどうなるでしょうか?
水の流れがダイレクトに伝わり
迫力が出ますね
こういう写真見たことある!
『スローシャッター』ってやつで撮ってたんだね!
シャッタースピード 1/125
シャッタースピード 1/8
シャッタースピードをあえて遅くする事で水の流れを写真に写し込むテクニックです。
逆にシャッタースピードをグッと上げると水飛沫なども止まっているように撮る事ができます。
シャッタースピード 1/1600
昼間にスローシャッターを狙うには?
スローシャッターにするという事は『写真が明るくなる』という事ですよね。
実は昼間にシャッタースピードを遅くしようとしても、明るすぎて撮る事が出来ません。
F値を高くしたりISO感度を下げても限界があるのです。
F値も一定の数値を越えると画質が低下していきます。
え?じゃあみんなどうやって撮ってるの?
『NDフィルター』というレンズの前に付ける
光量を落とすレンズフィルターがあるんです。
NDフィルターの濃さ
NDフィルターの濃さは数字が増えるほど濃くなり、濃くなるほど明るさを落とす事が出来ます。
ND4やND16などの数字がついており、それぞれ
◯ND2=光量1/2
◯ND4=光量1/4
◯ND8=光量1/8
◯ND16=光量1/16 …
などと2倍ずつ増えていきます。
スローシャッターにして明るくなる分、NDフィルターを使う事によって光量を落として適正な明るさに調整するのです。
NDを最初に買うなら濃すぎると使いにくいので、(用途によって変わりますが)滝などをスローシャッターで撮るならND8かND16くらいがおすすめです。
色々使いたかったらたくさん種類買わなきゃいけないの?
持ち運んだり付け替えたり大変そう…
そんな人におすすめな
『バリアブルND』というのもありますよ
私はめんどくさがりなのでコレ1つだけ持ってます!
バリアブルNDとは
『可変ND』とも呼ばれる偏光フィルターを2枚を組み合わせることにより無段階で光量が調節できる
濃さが可変式のNDフィルターです。
くっついてる内の片方のフィルター枠を回転させる事により光量の調整ができます。
普通のNDと比べてやや画質が落ちる事と値段が高めなのがネック。
だからと言って安物を買うと色味にかなり影響するので注意!
私が使ってるMARUMIのバリアブルNDです
フィルターを買うときは自分の持っているレンズの『フィルター径』を確認してから買いましょう
レンズフィルターは自分の持っている1番フィルター径の大きいレンズに合わせて買って
フィルター径の小さなレンズに付けるときはステップダウンリングを使うと使いまわせますよ!
夜の街でスローシャッターを狙ってみる
すごい!なにこれ?
これは夜ヘッドライトを付けて走っている車などをスローシャッターで狙った写真です
車ヘッドライトなどが点灯した車が走っている所をスローシャッターで撮影すると
ライトの軌跡が光線として記憶され、まるでレーザービームのように写ります。
シャッタースピードと明るさの関係まとめ
ポイント
◯シャッタースピードを速くすると写真は暗くなるがブレにくい
◯シャッタースピードを遅くすると写真は明るくなるがブレやすい
◯夜や室内ではシャッタースピードが遅くなるので、三脚を使ったり『ISO低速限界』を設定したりしてブレを軽減させる
◯昼間に明るい所でスローシャッターを狙うならNDフィルターが必要
今回は写真に関してのシャッタースピードを解説しました。
動画の場合のシャッタースピードまた少し違う考え方になりますので注意が必要です。
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