『写真のシャッタースピード』については以前の記事で解説しましたが、今回は動画にスポットを当てて解説していきます。
一眼で動画を撮りたいんだけど
設定がよく分からなくて…


フレームレートとシャッタースピードについては必ず覚えておきましょう。
ミラーレス一眼でおしゃれな動画等を撮りたい方にとって必須の知識ですよ!
写真と動画におけるシャッタースピードは設定の考え方が少し変わります。
写真のシャッタースピードは分かるけど、動画はよく分からないという方も是非読んでみてください。
そもそも『シャッタースピード』って何?という人はこちらの記事を先に読んでみてください。

動画のシャッタースピードはフレームレートの2倍分の1秒にする

動画のシャッタースピードは一般的にフレームレートの2倍分の1秒が丁度いいとされています。
動画のシャッタースピードの基本
◯フレームレートが24fpsの場合→シャッタースピードは1/50秒
◯フレームレートが30fpsの場合→シャッタースピードは1/60秒
◯フレームレートが60fpsの場合→シャッタースピードは1/125秒 (1/120秒が無いので1番近い数値)
室内などでフリッカーが起きてしまう場合を除いて、これを基本として覚えておけば自然な動画を撮影する事が出来ます。
フレーム…レート…?


フレームレートとは動画の記録形式の設定です。
フレームレートとは?
動画には『フレームレート』と呼ばれる記録形式の設定があります。
動画というのは実はカメラが凄いスピードで写真を連写して、その写真をカメラが勝手に繋げて再生して動画にしてくれているのです。
パラパラ漫画のようなものですね。

『その動画の1秒分を構成する写真を何枚にするか』というのがフレームレートの設定です。
フレームレートは『fps(frames per second)』=フレーム毎秒という単位で表されます。
ミラーレス一眼など機種により設定できる数値に差はありますが、一般的によく使われるのは以下のフレームレートです。
- 24fps 映画で使われる
- 30fps テレビやDVDなど一般的に使われる
- 60fps 4K映像やスポーツの映像などに使われる
- 120fps スローモーション映像を撮る場合など
標準の設定としては30fpsが多く、この場合は1秒間に30フレーム=30枚の静止画で構成する動画の設定という事になります。
動画を構成する静止画(フレーム数)が多ければ多いほど滑らかな動き、少ないほどカクついた動きに見えます。
フレームレート比較 参考動画

例えば30fpsなら1秒間30フレームになるので、5秒分なら30×5で150フレームつまり150枚の写真で構成される動画となります。

簡単に言うとパラパラ漫画の1秒分を何ページ描くかという感じです。
パラパラ漫画を同じ秒数で見せるとすると、ページ数が多いほど細かい動きが表現できて滑らかに動きますよね。


ページ数が多い方が細かい動きを描けるので滑らかに見えますが
その分漫画はどんどん分厚くなっていきます。
動画の場合も同じようにデータ量が大きくなってしまうのです。


フレームレートが高ければ高いほど良いという訳でもありません。
データが大きくなると転送の時間がかかり過ぎてしまったり、動画ファイルの容量を大きくしないと画質が落ちてしまう事もあります。
『シャッタースピード』写真と動画の違い
カメラのシャッタースピードは速くなればなるほど、シャッターの開いている時間が短くなりブレが少なくなります。

動画の場合も同じようにシャッタースピードが変わると動画のブレ具合が変わります。
動画の途中でシャッタースピードを変えてしまうと、ブレ具合が途中で変わって非常に不自然な動きになってしまうので
動画を撮影する場合はシャッタースピードを固定して撮影します。
最初に言ってたフレームレートの2倍分の1秒…だっけ?

写真の場合は静止画なのでどれだけシャッタースピードを速くしても問題ありません。
昼間の外であれば1/3200秒や1/5000秒などで撮っている事もざらにあります。
しかし動画の場合はシャッタースピードを速くしすぎるとブレが無くなってパラパラした不自然な映像に見えてしまうのです。
シャッタースピード比較 参考動画

これが動画ではシャッタースピードを固定しなければならない理由です。
映像の途中でブレ具合が変わると違和感を感じてしまいます。
また最も自然なブレ具合に見えるシャッタースピードが、フレームレートの2倍分の1秒とされているのです。
動画には適度な『ブレ』が必要
先程の参考動画にもあるように動画には適度なブレがないと逆に不自然に見えてしまいます。
写真の時はブレを無くしたいのに動画の時はブレが必要なんだ

自分の目の前で手をブンブン振ってみてください。
手がブレて見えますよね?
この肉眼に最も近いブレ具合が『フレームレートの2倍分の1秒』のシャッタースピードなのです。
シャッタースピードはフレームレート以下には出来ない

一部機種を除き、基本的に動画のシャッタースピードはフレームレート以下の数値にはできません。
どういうこと?

フレームレートとは1秒間を構成するフレーム(コマ)数でしたよね。
例えばシャッタースピードが1/10秒だった場合、1秒間で撮影できる枚数は10枚です。
30fpsとすると1秒間に30コマ必要なのに、シャッタースピードが1/10秒だと20コマ足りなくなってしまうのです。

なので30fpsの場合シャッタースピードの下限は1/30秒
60fpsなら下限は1/60秒となります。
蛍光灯等がフリッカーする場合の対処法
フリッカーとは蛍光灯やLED等がチカチカと点滅してしまう現象です。
蛍光灯は実は目に見えないくらい速いスピードで点滅を繰り返しています。
この蛍光灯の点滅がシャッターの開閉のタイミングとズレてしまうことによりフリッカーが起きるのです。

『電源周波数』と言うものが東日本は50hz、西日本は60hzと違うので
この蛍光灯の点滅の周期も東日本と西日本の場合で変わります。
- 東日本は50hzなので、1/50 or 1/100
- 西日本は60hzなので、1/60 or 1/125
上記のように電源周波数の倍数のシャッタースピードであればフリッカーは起こりません。

更に詳しくはこちらの記事をご覧下さい

動画の明るさ調整
動画を撮影するには上記のシャッタースピードに固定する必要があるので、基本的には『シャッター優先』か『マニュアル」モード、動画モードがあれば動画モードで撮影しなければいけません。
カメラの明るさは『F値』、『シャッタースピード』、『ISO感度』で決まります。

シャッタースピードは固定するので、動画の明るさは基本的にF値とISO感度で調整しなければいけません。
一眼っぽい背景がボケた動画を撮りたいんだけど…


背景をボカすにはF値を低くしなければいけませんよね。
しかし昼間の外でシャッタースピード1/60秒でF値を低くすると、ISO感度をいくら最低にしても明るくなり過ぎて何も映らなくなってしまいます。
じゃあ昼間は背景をボカせないってこと…?


レンズの前に付けて明るさを落とすNDフィルターを使えば大丈夫です!
レンズの前に付ける事で光量を落とすことができるので、昼間の外でもF値を低くして背景をボカした動画を撮影する事が出来るようになります。

VLOGみたいなおしゃれ動画を撮るなら必須のフィルターです。
詳しくは『動画撮影にNDフィルターが必要な理由』の記事をチェックです!

動画のシャッタースピードとフレームレートまとめ
一眼でおしゃれな動画を撮ろうと思ったら写真よりも更にカメラの知識が必要です。
『F値』、『シャッタースピード』、『ISO感度』はもちろんですが、『ホワイトバランス』なんかについても知っておいた方が良い知識です。
覚える事が多いよ〜…


一度覚えてしまえばそんなに難しくないので、少しずつ触りながらコツを掴んでいけば大丈夫ですよ!
是非カメラをマニュアルモードで触ってみながらこのブログを読んでみて下さいね。
動画撮影をされる方は是非照明を取り入れてクオリティアップさせましょう!

このブログではテレビ局でプロの照明マンとして働く私が
普段の写真や動画撮影で使えるライティングテクニックを解説している他、おすすめカメラやレンズ、照明機材やガジェット類の紹介をしています。

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