前回、前々回と写真の明るさに関係する『F値』『シャッタースピード』と解説してきました。
写真の明るさに関する設定
明るさと背景のボケ具合(被写界深度)に関係する『F値』
明るさと写真のブレに関係する『シャッタースピード』
今回は写真の明るさに関係する最後の要素『ISO感度』について解説していきます。
『F値』『シャッタースピード』『ISO感度』を理解すればマニュアルモードでも撮れるようになりますよ!
『画質に関係』って事は
ISO感度っていうのを上げると
画質が悪くなっちゃう…とか?
正解です!
暗いところで写真を撮った時
なんだか『写真がザラついてる』事ないですか?
この写真のように暗い部分などにザラザラとしたノイズが入り画質が荒くなることがあります。
これは明るさが足りずISO感度を上げすぎたためノイズが目立ってしまっているのです。
『ISO感度』についてなんとなくイメージは掴めましたか?
それでは『ISO感度』について詳しく見ていきましょう。
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ISO感度とは?
ISO感度とは『いそかんど』もしくは『あいえすおーかんど』と読み
【International Organization for Standardization】=国際標準化機構 から来ています。
…
固まらないで!笑
簡単に言うと『国際基準で決められた規格のセンサー感度』ってことです
大体デフォルトの設定では『ISO AUTO』になっておりカメラが勝手にイメージセンサーの感度を調整してくれています。
イメージセンサーとは?
センサー感度とはカメラ本体の内部にある『イメージセンサー』の感度の事です。
イメージセンサーは光を感知して情報を記録している、いわばカメラの心臓部です。
このイメージセンサーに当たる光の情報を写真として記録しています。
詳しくはシャッタースピードの記事をCHECK
ISO感度の基本数値は『100』がベースとなっており、そこから125,160,200・・・と増えていき
上限はカメラによって変わりますが40000や51200くらいまであがります。
このISO感度は数値を2倍にすると当たった光の電気信号を2倍に増幅、つまり明るさが2倍になります。
なのでF値は固定でシャッタースピードを稼ぎたい時など、ISO感度を上げて調整することができます。
カメラの『段』とは明るさ(露出)を示す指標
さっきも出てきたけど、たまに聞く『段』って何なの?
段数(=EV)と呼ばれるものは写真の明るさ(露出値)の単位として使われます。
ISO感度を2倍にすると明るさも2倍になる、とお伝えしましたがこの明るさの段階のことを1段、2段と表します。
そしてこの『段数』はISO感度だけでなくF値、シャッタースピードの明るさの段階変化にも共通して使われます。
ポイント
絞り、シャッタースピード、ISO感度における段数は共通しており
○1段上がると明るさも2倍に
○1段下がると明るさが1/2になる
と覚えておきましょう。
段数の調整は大体のカメラが1/3段ずつ調整できるようになっています。
試しに絞りとシャッタースピードは固定でISOのみをあげてみましょう
ISOを一段ずつ上げていったので1枚目から2枚目は明るさが2倍に、1枚目から3枚目は明るさが4倍になっています。
露出補正ダイヤルで明るさを調整する
カメラに0とか1とか−1とか書いてあるダイヤルなど付いてませんか?
あるある!
これを触ると写真の明るさが変わるよね
これは露出補正ダイヤルというもので、写真を明るくしたり暗くしたりを簡単に調整するためのダイヤルです。
この数値が先ほど説明した『段数』を表しています。
この露出調整ダイヤルはカメラがプログラムオートや絞り優先オートなど、オートモードのみ使える機能です。
例えば『絞り優先オート』でF値を2.8に設定し、露出調整ダイヤルを+1にすると
絞り優先でF値は固定されているので、カメラが自動で適切に判断し残りのシャッタースピードとISO感度を組み合わせて1段(1EV)分あげてくれます。
マニュアルモードの場合は『ISO AUTO』にしている場合のみ使えるよ
この露出補正ダイヤルも結局は『F値』『シャッタースピード』『ISO感度』のどれかを調整して補正を行っているので
すべてマニュアル設定にしていると機能しません。
ISO感度と画質の関係
写真の明るさ調整について理解できたところで
もういちど最初の図に戻ります!
『ISO感度はあげすぎるとノイズが目立ってくる』と最初に触れましたが、実際どのようなノイズが入るのでしょうか。
実際の写真で試してみましょう。
カメラはα7Ⅲ、レンズはZeissbatis 2/40 CFを使用しています。
ISOを上げるほど背景の壁あたりがだんだんザラついて来てるのが分かりますか?
スマホの場合は更に自分でも拡大してみてね!
ISO1600くらいからよく見るとすこーしだけノイズが入るようになり、上がるにつれてだんだん目立つようになります。
このようにISOを上げていくと画質が落ちてしまうので、可能であれば三脚で固定したりしてシャッタースピードで調整するほうが仕上がりは綺麗な写真になります。
※今回はSONYのα7Ⅲで検証していますが、ノイズの出方はカメラによります。
実際はブレよりもノイズの方がマシ
ただ商品広告など仕事で使用する写真であればノイズのある写真はNGですが、
実際のところプライベートな写真であれば多少ノイズが出ていようがあんまり気になりません。
それよりも画質が落ちるからといってシャッタースピードを落としてブレブレになるくらいなら
ISOを上げてノイズが出ている写真のほうがマシです。
ノイズは編集で何とかなることもあるけど
ブレブレ写真はどうしようもないです。
ちなみにLightroomのノイズ低減機能はかなり優秀です!
このノイズ低減が優秀なので、ある程度のノイズならかなり目立たなくなります。
無料版でもノイズ低減を含め大体の編集はできますが、RAWデータの現像は月額550円の有料版でしかできません。
しかしLightroomはレタッチソフトとして本当に優秀ですのでカメラマンは必携レベルですよ!
せっかく契約するなら980円でLightroomもPhotoshopも両方使えるフォトプランがお得!
LightroomとPhotoshop
LightroomはRAW現像など『写真のレタッチ』に特化したソフトで、明るさや色の調整などが簡単に行えるようになっています。
レタッチだけするならばLightroomの方が扱いやすく、写真の管理までアプリ内で出来るのが特徴です。
一方Photoshopはレタッチを含む『写真の編集』に特化しており、
明るさや色の調整に加え、映り込んでしまった余計なものを消したり肌を綺麗に見せたり、写真を切り抜いて合成したり文字を入れたりと何でもできます。
より複雑な編集がしたければPhotoshopになります。
写真はレタッチしてこそ本当の魅力が引き出せるので、ぜひRAW現像などにも挑戦してみてください。
こちらもCHECK
マニュアル撮影の方が良いシチュエーション
ここまで写真の明るさ調整について説明してきましたが、
正直普段のスナップ撮影や家族、友達を撮る時にいちいちマニュアルで露出調整なんかしてられません。
実際私も、たまにシャッター優先も使いますが
8割は絞り優先モードで撮影してます。
じゃあマニュアル撮影の方が良い場合ってあるの?
夜景、暗い室内の場合や三脚を構えてじっくり撮影する場合などは、マニュアル撮影の方が思い通りの写真になります。
例えば水族館など暗い場所で生き物を撮る時、明るさを稼ぐためにシャッタースピードを遅くするとブレてしまいますよね。
なのでノイズは編集である程度除去することを前提でISOを上げて撮影し、シャッタースピードの速さを稼ぎます。
スマホの場合は拡大してみてね
レタッチする前の写真とLightroomでノイズ除去と明るさや色などのレタッチを行った写真です。
ノイズも低減されていますね。
このように暗い場所であればマニュアル撮影のほうが狙った通りの写真を撮ることができます。
ISO感度と露出調整のまとめ
ポイント
◯ISO感度はセンサー感度で光を増幅させて明るさを調整する
◯ISOを上げすぎるとノイズが目立つようになり画質が落ちる
◯明るさの指標は『段数(=EV)』で表され、1/3段ずつ調整できる
◯段数は『絞り』『シャッタースピード』『ISO感度』共通の指標
3回にわたって写真の明るさを調整する3つの要素について解説してきました。
『絞り』『シャッタースピード』『ISO感度』について理解できれば思い通りの写真が撮れるようになります。
ぜひカメラを用意して3つの記事を見返しながら、それぞれチャレンジしてみて下さいね。
実際にカメラを触りながら読むと
理解しやすいと思いますよ!
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