物撮りのライティングをテレビ局のプロ照明マンが徹底解説!

物 撮りはライティングで差をつける
ゆーふぃる

この記事ではテレビ局で働くプロ照明マンが、ライトを使った物撮りのコツを解説します!

物撮りだけでなく、写真や動画を撮る上で重要なのは構図やアングル、カメラの設定だけではありません。

『ライティング』も超重要な要素の一つです。

プロとアマチュアの違いのひとつとして、ライティングは大きなポイントです。

蛍光灯の下で普通に撮った写真と、しっかりライティングした写真の違いを見てみましょう。

蛍光灯下でのレンズの物撮り
ライトを使った商品撮影

うわぁ!全然印象が違う!

同じような写真でも、ライティングでこれだけ印象が変わります。

ゆーふぃる

実際のライトの配置なども織り交ぜて解説していくので、みなさんも是非挑戦してみてくださいね!

この記事はこんな人におすすめ
  • 物撮りのライティングについて知りたい
  • ブログやSNS用の写真がうまく撮れない
  • ライトを買ってみたけど使い方が分からない
  • 食べ物を美味しそうに撮りたい

使用機材は飛ばしてライティング解説をすぐ読みたい人は ここからジャンプ!

著者の紹介
  • テレビ局で働くプロ照明マン歴10年以上
  • スタジオでのバラエティや商品撮影、ロケ、ドラマなどの照明を担当
  • 所有カメラはSONY α7ⅲ、FX30
  • 私物のライトや撮影機材もどんどん増えてる
ゆーふぃる

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目次

物撮りのライティングをする上で必要な物

今回は以下のものを使用して撮影していきます。

物撮りに必要な物
ゆーふぃる

ひとつずつ見ていきますね

物撮りに使用するLED定常光ライト

定常光ライトとは

定常光ライトとは写真でよく使われる「ストロボ」と違い、名前の通り常に光り続けるライトの事です。

最近はコンパクトなLEDで充電式の安価なものが非常に多く、安いものでは3000円程度で手に入ります。

ストロボの場合は一瞬しか光らないので、動画撮影では定常光ライトしか使えません。

写真の場合でも、ライトを実際に照らしながら明るさや角度の調整ができるので、定常光の方が初心者の方にはおすすめです。

ゆーふぃる

ストロボの方がパワーがありますが、物撮りならLED定常光のパワーでも十分です。

物撮りに使用するライト①Pixel G1S

Pixel G1S

今回メインのライトとして使用するコンパクトなタイプのフルカラーLEDです。

色温度(光の色味)の調整はもちろん、フルカラーなので赤や青などの色んなカラーの光も簡単に出すことができます。

色温度に関しては【カメラのホワイトバランスと色温度について】の記事で詳しく解説しています。

ゆーふぃる

僕が購入した時は無かったのですが、今はスタンド付きでも売っているので別途買うよりもそちらがおすすめです!

物撮りに使用するライト②Ulanzi VL-49

コンパクトLEDライト

Amazonならミニ脚が付きでなんと3000円を切る値段で購入できます。

今回はサブライトとして使用しており、これも色温度含めフルカラーで調整できます。

ゆーふぃる

安いのでちょい足しの補助光として、とりあえず1個持っといて損はありません!

最近増えたリモート会議なんかにも使えます。

ゆーふぃる

ディフューザーが付いてさらに進化したPRO版も出ました!

定常光ライト用のスタンド

なんかぐにゃぐにゃのが付いてる

ゆーふぃる

これはカメラ用の三脚にマジックアームと呼ばれるものを付けています

カメラ用のミニ三脚ですが、ライトにもカメラと同じネジ穴(1/4インチネジ穴)が空いているので、共用することができます。

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テレポッドProキットなら耐荷重1kgなので、ミラーレスと軽量なレンズであればなんとか使用できます。

ゆーふぃる

でも正直ちょっと不安定で怖いし、伸縮がかなり緩みやすいです・・・笑

結局は不安定で少し使いづらかったので、後日ライト用のスタンドを別途購入しました。

カメラとの使い回しを考えなければ、下のような普通のライトスタンドの方が使い勝手は良いです。

テーブル上にスタンドを立てたり、床で物撮りするなら80cmくらいのミニスタンドがおすすめです。

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テーブルでの物撮りで普通にライトを立てて使うなら200cmクラスのスタンドがおすすめです。

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室内でしか使わないなら逆折れタイプだとコンパクトに収納できます。

マジックアームとは

マジックアームとはカメラやモニターなど、様々なアクセサリーを自由な角度で取り付けるためのアイテムです。

スーパークランプも付いているのでテーブルなどに挟んで固定することもできます。

ゆーふぃる

あると便利ですが必須ではありません

スタンドに取り付けると、下の画像のような感じでスタンドは画角に入れずに、ライトだけを被写体側へ伸ばして当てたりすることができます。

三脚やスタンドに取り付ける時は、マジックアームは両方オスネジなのでメスネジへ変換するアダプターが必要です。

物撮りに使用するレフ板

折り畳んで立てて使ったりできるタイプのレフ板です。

片面が両方白で、片面はシルバーと黒が半分ずつになっています。

ゆーふぃる

レフ板がなければ白い発砲スチロールや厚紙などでもOK!

レフ板の使い方の記事もありますのでチェックしてみてくださいね。

また、角度を変えて立てられる鏡を持っていたら物撮りにも使えるので無ければ100均で購入しておくと便利です。

物撮りに使用する背景ボード

背景ボードは必須ではありませんが、あると締まって見えるのでおすすめです。

もともとオシャレな部屋な方はそのままでも良いと思いますが、背景を片付けたりしなくても良くなるという利点もあります。

物撮りに必須なもの、あると便利な物

ライトを使った物撮りに必須な物あると便利なもの
ライト最低2つメイン Pixel G1SマジックアームUTEBIT マジックアーム
サブ Ulanzi VL-49メスネジ変換
スタンドミニライトスタンド背景ボード背景ボード 60×60
200cmライトスタンド
逆折れ式ライトスタンドポエミチA3背景シートセット
レフ板TARION A3 レフ板角度を変えて立てられる鏡100均or家にあればOK
自作でもOK
こちらもチェック

ライトを使った物撮りのライティングの準備

ライトのみを使って物撮りをする場合は夜、もしくは遮光カーテンで太陽光を遮り、部屋の電気も消して真っ暗にしましょう。

特に蛍光灯やシーリングライトが付いていると、余計な光が邪魔をするので必ず消してください。

自分のライトのみで作った方が確実に綺麗に撮れます。

ちなみに太陽光を使って窓際で撮る場合も、基本的にはシーリングライトなどは消した方が綺麗に撮影できます。

料理の物撮りのライティング

ゆーふぃる

まずはパスタをライティングして撮影してみました

パスタの撮影
ライトを使った料理写真の解説

実はこれ、コンビニのパスタなんですが綺麗に撮影するとお店のパスタみたいに見えませんか?

料理の写真は半逆光が基本

【料理写真のコツ】の記事で詳しく解説していますが、

料理などはカメラに対して斜め逆側『半逆光』の角度からの光が強くなるようにするのが基本です。

光の角度の説明

半逆光の角度は『輪郭を出す』役割と『立体感を出す』役割を兼ね揃えています。

【光の角度と役割の違い】については物撮りだけでなく広く撮影に使える知識なので、是非覚えておきましょう。

こちらもチェック

Youtubeでも料理撮影のライティングや、湯気を出すコツなどを解説しています。

動画だとよりイメージが湧くと思いますので、ぜひご覧ください。

スイーツの物撮りのライティング

スイーツの物撮り
ライトを使ったスイーツの写真の解説

このいちごタルトはパスタと違い高さがあるので、

影をなるべくボカすためにレフ板の白面に反射させた反射光をメインのライトにしました。

光は反射させたりして大きな面の光源にした方が、光がいろんな方向から回り込むため柔らかい光になります。

光の硬い、柔らかいは【光の質と点光源と面光源】の記事で解説しています。

右からの反射光のみ

スイーツの写真
物撮りの風景

右からの反射光のみでは少し暗部が多いのが気になりますね。

左側の半逆光を足してツヤを出す

スイーツの物撮り
物撮りの風景

左側から逆光を足すことで左の苺にツヤが出ましたね。

ゆーふぃる

照り焼きやスイーツなどのテカる素材の食べ物は逆光を当てるとツヤが出ます

正面側ももう少しだけ明るさを持ち上げたいので、近くに置いてあった鏡に光を反射させて当ててみます。

レフ板がもう一枚あればレフ板でOKです。

鏡(レフ板)で手前側の明るさを持ち上げる

スイーツの物撮り
物撮りの風景

右側のレフ板の反射光を更に鏡に反射させてタルトの手前側の明るさを持ち上げました。

ゆーふぃる

これで良い感じのバランスになりました

ツヤツヤしててとっても美味しそう!

ロゴがある商品の物撮りのライティング

コーヒーの物撮り
コーヒー写真の解説
ゆーふぃる

左側のライトを正面側に持ってきた場合も見てみましょう

2灯ライティングの場合

コーヒーの物撮り
コーヒーの物撮り

右半分は反射光でカバーし、左側の手前をサブライトで持ち上げました。

ゆーふぃる

これはこれでアリですが、もう少し手を加えていきます。

サブライトを逆光側に移動させエッジを出す

コーヒーの物撮り
コーヒーの物撮り

右側は大きな反射光なので逆光側から右サイドまで広く当たっていますが、左側も逆光を足すことでエッジ(輪郭)が出ました。

ゆーふぃる

エッジが出て立体感は出ましたがロゴが暗くなってしまいました。

ロゴの明るさを鏡(レフ板)で持ち上げる

コーヒーの物撮り
コーヒーの物撮り

鏡もしくはレフ板でロゴ部分の明るさを持ち上げます。

ゆーふぃる

両側のエッジを出すことで立体感を出しつつ、ロゴも見えるようになりました。

マウスの物撮りのライティング

マウスの物撮り
マウスの写真の解説
ゆーふぃる

これも基本的には先ほどのチルドコーヒーと同じです

右側の反射光のみ

マウスの物撮り

赤い球の部分や手を置くマウスの黒い部分に、ライトを反射させたレフ板が映り込むことでテカリができて質感が分かりやすくなっています。

このままだと左側のボタン部分が見えないので、そこの明るさを持ち上げていきます。

鏡(レフ板)の反射でボタン部分を明るくする

マウスの物撮り

鏡を反射させただけだとまだ明るさが足りていないようです。

さらにサブライトを足していきます。

サブライトを逆光側から足してエッジを出す

マウスの物撮り

左側の半逆光を足すことによりエッジが分かるようになり、ボタンの部分も見えるようになりました。

物撮りで注意するべき点は、人が見たいと思う所をきちんと見せる事が出来ているかどうかです。

カラーを使ってアクセントを付けるライティング

ライトを使った商品撮影
物撮りの解説

色が入ると雰囲気が出てカッコイイ〜

ゆーふぃる

カラーを入れる場合はあくまでアクセントなので、さりげなく入れましょう

レンズのガラス部分にレフ板を映し込む

レンズの物撮り

ガラスの部分が黒いままだと分かりづらく、いまいちガラス感がありません。

レフ板をあえてうっすら映し込む事でガラスの透明感が分かるようになります。

ライトを使った商品撮影
ゆーふぃる

ガラス類を撮る時、逆光を入れられる場合は透かしてあげるとより綺麗ですよ

ライトを使った物撮りが上手くなれば太陽光を使った物撮りも上手くなる

窓際で太陽光を使った物撮りをされる方は多いと思いますが、ライトのみを使った物撮りに慣れると更に上手くなります。

基本的にこの記事で説明したライティングは、メインのライトを窓からの外光に置き換えて応用する事ができます。

ライトを使っていろんな角度から当ててみる事で、光に対する理解が深まり、どうすれば綺麗に見えるのか分かってくるようになります。

ゆーふぃる

まずはとりあえず1個でも良いのでライトを買ってどんどん使ってみてください

太陽光を使った物撮りのデメリット

太陽光を使った物撮りはやはり手軽に美しく撮れますし、太陽に勝る照明機材はありません。

しかし夜には撮れませんし天候にも左右されます。

また、細かい調整が効かないというデメリットもあります。

ライトを使った物撮りを覚える事で

太陽光を使う場合も1番良いアングルに設定できたり、天候が変わっても柔軟に対応できるようになります。

太陽光とライトを併用してクオリティアップ

ゆーふぃる

太陽光を活かしつつライトを併用する事で更に美しい写真に仕上げる事ができます。

太陽光のみだと、どうしても窓と反対側の面に暗部ができてしまいます。

かと言ってシーリングライトや蛍光灯を付けてしまうと、光の角度やバランスが悪くなってしまったりします。

窓と反対側の面の明るさをライトやレフ板で持ち上げると、バランスが良く美しくなります。

また反対側もライトを足すことで右側の苺にもツヤが出ました。

ゆーふぃる

メインのライトが太陽光になっただけで、やっている事はスイーツのライティングで解説した事と同じです。

ちなみに太陽光とライトを併用する場合は、ライトの色温度は太陽光と同じ色味の5500K程度に合わせましょう。

部屋を真っ暗にしてライトだけで撮る場合は

カメラのホワイトバランスと合わせた色温度にしておけば、どんな色味にしていても問題ありません。

物撮りのライティングまとめ

ライト使うの楽しそう!

ゆーふぃる

ライトだけならそんなに高くないものも多いので、是非挑戦してみてくださいね!

ライトを使った物撮りに必須な物あると便利なもの
ライト最低2つメイン Pixel G1SマジックアームUTEBIT マジックアーム
サブ Ulanzi VL-49メスネジ変換
スタンドミニライトスタンド背景ボード背景ボード 60×60
200cmライトスタンド
逆折れ式ライトスタンドポエミチA3背景シートセット
レフ板TARION A3 レフ板角度を変えて立てられる鏡100均or家にあればOK
自作でもOK
こちらもチェック
ゆーふぃる

慣れてきたら影を使った物撮りに挑戦するのも楽しいですよ!

あわせて読みたい
あえて『影』を作るライティングで撮影して写真や映像に差をつけよう あえて『影』を作る事で、写真や映像に良いアクセントを付けることが出来ます。 ライティングにおいて『影』というのはとっても重要なポイントです。 本当にライティングの上手い人は『影』の扱いが上手なのです。 この記事では影を使った撮影の方法をプロ照明マンが解説します。

物撮りの場合基本的にカメラと同じ【順光】方向は1番最後に決めた方がバランスが取りやすいです。

ゆーふぃる

少し手前に陰影がある方が立体感が出るのでおすすめです

逆光やサイド光から決めて、手前が足りなければ最後に少しだけ明るさをもちあげる

この順番で調整し、順光方向が強くなりすぎないように注意しましょう。

頑張って練習してみよ〜

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コメント

コメント一覧 (8件)

  • いろいろなサイトを経由してこちらを拝見させて頂きました。
    大変勉強になり、すっかりファンになって同じものを購入しましたが、
    同じ様な写真は撮影できませんね(笑
    今後も拝見させていただきますので、引き続きよろしくお願いします。

    • ありがとうございます。
      そう言っていただけると本当に嬉しいですー!

      何か使い方とかご質問あれば、ここでもTwitterなどでもお気軽にご連絡くださいませ。

  • とても参考になります!
    カメラ初心者ですがプラモデルの撮影用に
    ミラーレス一眼カメラを購入して良い写真が撮りたいと色々調べてるうちにこちらに辿りつきました。 写真は光が重要と色んな方がおっしゃっていましたので照明にもこだわりたいと思い早速Pixel G1Sを注文しました。
    予算の都合もありますので、これから少しずつ揃えていきます!

    • ありがとうございます!
      少しでも参考になると嬉しいです✨

      G1Sは今後ライトを増やすとしてもなにかと便利に使えるライトなので、1台目としてはほんとおすすめです💡

      あとはレフ板が1、2枚あるとライトもまたグッと使い勝手が良くなるので、ぜひまたおいおい試してみてください〜!
      なにかあればお気軽にご質問ください👼

      • ありがとうございます、プロの方にそう言ってもらえると安心して購入できます。
        レフ板ですね、使ったことなかったのでライトが届いたら一度試してみますー!

        • 直射するとどうしても影がキツくてライト当ててる感が出ちゃうので、この記事のようにレフ板や壁などに反射させるのがおすすめです!
          ぜひ色々やってみて楽しんでみてください✨

          • pixel G1S届きました!思っていたよりもコンパクトで置き場所にも困らなくて良かったです。
            試しに電源入れてみたら、まぶしくて直視できないくらい明るくびっくりしました笑
            記事に最低2灯あった方が良いとありましたので、おススメにあったSOONPHO P10も
            一緒に購入しました! 操作性はG1Sの方が操作しやすい感じですが、こちらもめちゃくちゃ明るかったです。まだレフ板用意出来てないので、準備して早く撮影してみたいです。
            色々試しながら楽しんでみます! これからもゆーふぃるさんの記事を参考に撮影技術をアップさせて
            いきたいと思います、ありがとうございました!

          • サイズの割に明るいですよね笑
            P10も一緒に買われたんですねー!
            G1Sメインにして補助光とかで使うといいかと思います✨
            ぜひぜひ色々試して遊んでみてください〜!

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